気分de迷著④

ゴールを目指して行うプレイ、またはその準備まで含めてすべて攻撃であると著者は言う。それからドリブルを目的によって分類する、①仕掛ける②運ぶ③停止する。ゲーム中はターノーヴァーに注目しがちになるが、たとえ失敗してボールを奪われたとしても、それがゴールへと向かう仕掛けであれば挑戦する価値はある。個人競技でなく団体競技なので何でもかんでも冒険するわけにはいかないが、ボールを死守することにこだわるあまり逃げ回っているだけではサッカーとは言えない、と著者は考える。

またボールを運ぶのかその場にとどまるのかは何となくするのではなく、はっきりと意識して区別するべきだとも。トラップをしてもコロコロ転がり続けるボールなのか、ぴたりと止まって動かないのをシュートするのかは雲泥の差がある。

最後に、仕掛けることの大切さに合わせて、フェイントを用意して練習しておくべきだと指摘する。おそらく著者の経験則からなのだろう、いるサイドと抜きたい左右の違いによって、ディフェンダーへのフェイントの見え方に違いが出てくるので4パターンは準備した方がよいと述べる。

後の章でパスについても分類するが、ドリブル一つとってもその目的を明確に持って、①仕掛ける②運ぶ③停止するどのプレイ選択をするのか常に意識するべきなのだ。

 

 

【攻撃とは何か?】

サッカーは相手よりも1点でも多くゴールを目指す競技である。

攻撃とは得点につながるあらゆるプレイである。前線からプレスをかけて積極的にボールを奪いに行くことも、一定のリスクを負った攻撃の一手段である。ここで言うリスクとは、組織的守備の密集が緩む可能性があるということだ。また自陣深くでボール回しをすることも、相手を引き出す等の目的であれば、攻撃の一手段となる。そこで攻撃の手段としてドリブルとパスをまず整理する。

 ドリブルの区別
 
 ①仕掛ける
 ②運ぶ
 ③停止する
 
 ボールホルダーがドリブルを開始するとき、以上の三つの選択肢から一つを選ばなければならない。 相手をフェイントで抜きにかかったり、相手のポジションの変化を利用して新たなパスコース生み出したり、ボールホルダー自身や味方がより優位な状況を作り出すことを目的にボールキープすることがドリブルである。仕掛けるドリブルは、フェ イントを掛けボールホルダーが相手守備範囲に飛び込んで行くためターノーヴァーのリスクを伴う。運ぶまたは停止するドリブルは、スペースに運び込むのか、現在いるスペースに留まるのかの違いであるが、実践においてこの違いをしっかりと意識できるかどうかはプレイの質に大きくかかわる。①と違い②③はスペースをできるだけ広く使い、ボールをキープすることを目的とする。ボールホルダーは今からドリブル開始しようとするとき、それがどの選択肢に当たるのか強く意識する必要がある。

 フェイントの区別
 
 ①利き足は左右のどちらか
 ②相手の左右どちら側に抜くか
 ③フィールドの左右どちらサイドにいるか

 仕掛けるドリブルのとき2×2×2=8通りのフェイントを用意しておくと、いついかなる場合でもドリブルでチャレンジできる。少なくとも右利きのプレーヤーなら2×2=4通りのフェ イントを用意する。できるだけ多くの引き出しを持っていれば、相手を出し抜く強みになる。