30年来の誤謬

30年より前から今日まで日本サッカー界にはびこる誤謬が存在する。それは「守備とはボール奪取である」というものである。ディフェンスとプレスは全く違った概念の単語として捉えるべきだというのがここでの主張だ。というのも、キーパーは自ら積極的にプレスを掛けに行くことはしないが、守備をしていないわけではない。むしろ実態は逆で、キーパーが不断にしていることこそが守備の典型なのであって、ボール奪取に挑むプレイはプレスなのだ。この誤謬が引き起こす問題は、守備という語が両義的意味を帯びることで、個々の選手がそれから感じ取るイメージによって前進か後退かの行動の違いとなり、結果チーム戦術の一体性を損なうことに繋がる。この誤謬はささいなこと、言葉尻の問題として長年看過してきたが、一日本サッカーファンとして、新たな守備文化を構築し、W杯ベスト8の壁を破るためにも必要な指摘であると思うに至った。

詳細は「サッカーの基礎理論」を参照