教科書的ボール奪取

ゴール方向へとドリブルで進むオフェンスプレイヤーを追い駆けてボールを奪取する、プレイの教科書的な解説をする。

まず並走できるスピードと位置までドリブラーに追い付かなければならないが、ドリブルと素走りでは後者の方が一般的には有利なので、なるべく早く横並びしてインサイドのポジションを取る。並走する状態になった瞬間、素早くショルダーチャージないし腰をぶつけて相手のバランスを崩しにかかる。この時できるだけ低く、下から上へ向かって強く当たるようにする。互いの圧力が同程度であれば、ボールをコントロールしようとする分だけ歩幅が不自然となり、ドリブラーの方がバランスを取り戻し姿勢を立て直すのが遅くなる。

拳一つ分でもドリブラーより前に出られれば間髪を入れず、次は肘を張って相手の肩の前に自分の肩をねじ込むようにして体を寄せる。肩と背中が相手の肩や胸と密着した状態で体重を相手の体に預けるようにあるいは勢いよく相手の上体を肩で突き飛ばすように、上半身をひねり当たっている方の肩を後ろに引き、逆の肩は前に押し出す。この接触によって相手の体は後方へ押し戻され、逆に自分の体は前方へ押し出される。肩でなく腰を押し当てても同様だ。

この時ボールと相手の間に割り込んだ位置を確保しつつ、背中や尻で相手の前進を制すれば、既にボールホルダーは相手から自分へと入れ替わっている。一回目のチャージは体勢を崩すために真横から、二回目のチャージは位置を入れ替えるため前から後ろへ体を当てる。どちらも重心を低くして下から上に力を伝えるようにするのがコツで、ボールはあまり気にし過ぎず流れの中で触ったり触らなかったりすればいい。